BtoB企業のWebマーケティングに有効だとされているメルマガ。LINE@のようなリストマーケティングツールが普及している中で、メルマガの効果に疑問を感じている担当者の方も多いのではないでしょうか?
「今でもメルマガは読まれるのだろうか?本当に効果があるのだろうか?」
結論からお伝えすると、メルマガは2020年現在でも効果てきめんです。特にBtoBメディアで集客を行っている企業は、メルマガを積極的に取り入れるべきだと言えます。
その理由は、オウンドメディアとメルマガをかけ合わせることで、CVRを向上させることができるから。メルマガは、そのサービスや製品の必要性に気づいていないユーザーを、必要性に気づいている見込み客に変換することができるのです。
この記事では次のようなことを解説していきます。
- BtoBメディアこそメルマガを導入すべき理由
- メルマガを導入することでどんな効果が得られるのか
- どんな内容のメルマガを書けば欲しい成果が得られるのか
目次
2020年現在でもBtoBメルマガは効果的!
冒頭でもお伝えした通り、現在でもBtoBメルマガはかなり効果的です。その理由はメルマガを読む担当者の性質にあります。
BtoBメルマガを受け取る人は、企業の担当者であることがほとんどです。企業の担当者はビジネスツールとしてメールを頻繁に活用しており、仕事中にメールを見る機会が多いという特徴があるのです。
実際に「ビジネスメール実態調査2020」によると、以下のようなデータが出ています。
- 仕事で使っている主なコミュニケーション手段の第1位は「メール」
- 1日平均して14.06通を送信し、50.12通を受信している
- メールを活用する人の50%が、1日に10回以上メールを確認している
※仕事でメールを使っている人を対象にしたアンケート。有効回答数1,552件。
仕事やビジネスに関連するコミュニケーションでは、まだまだメールが主流であることが分かりますね。BtoCのように一般消費者を相手にするビジネスであれば、LINE@の方が好まれるかもしれません。しかしBtoBメディアであれば、むしろメールの方が適しているのです。
また、次のようなデータもありました。
調査した企業の77.7%が、マーケティング・営業活動全体におけるeメール施策を重視している。
参考:BtoB企業におけるeメールマーケティングに関する実態調査レポート2020 │ IT Communications
このように、多くの企業がメールによるマーケティングを重要視しています。このことからも、メルマガはまだまだ有効だということが伺えますね。
BtoBメディアがメルマガを導入する3つのメリット・効果
BtoBメディアがメルマガを導入すると、以下のようなメリットがあります。
- リードナーチャリングができる=CV獲得数を増やせる
- 見込み客との信頼関係を構築できる=CVRを向上させられる
- 既存顧客に対してリテンションができる=LTVを伸ばせる
順番に説明していきます。
メリット①:リードナーチャリングができる(CV獲得数を増やせる)
リードナーチャーリングとは、見込み顧客を育成することです。有益な情報を発信し、メルマガ読者との関係を構築することで自社サービスの購買意欲を高める手法のことを言います。
リードナーチャリングを行うと、リードを顕在顧客(成約しやすい顧客)に変換することができます。つまりメルマガをうまく活用すれば、今まで成約に至る気配がなかった顧客のコンバージョンを獲得できるというわけですね。
メルマガを使ったリードナーチャリングの例
- そのメルマガを読んでいる担当者に共通する問題点や悩みを顕在化させる
- その問題点を解決させるための一般的な解決策を提示する
- その一般的な解決策が難しいことを伝える
- そこで、より簡単に解決させるために自社の商品を使うことを勧める
- CV獲得!
BtoBメディアでは自社商品のコンバージョンを獲得するためにSEO集客を行っているところがほとんどだと思います。記事を読んでもらい、その結果自社のサービスに興味を持ってもらうことを目的としていますよね。
しかし一般的なキーワードで記事に入ってきたユーザーは、その会社のサービスを使うことを前提としているわけではありません。そのサービスを利用する明確な理由がない(気づいていない)という状態なので、記事を読んだだけでコンバージョンに至る確率は非常に低いのです。
ここで「そのサービスを利用する明確な理由がないユーザー」を「そのサービスを利用するべきだと気づいているユーザー」に変換できれば、コンバージョンを増やすことができます。
その変換に役立つツールこそがメルマガです。上記の例でいうと、1~4番によって「その商品を利用すべき理由」に気づいた状態を作り出せるのですね。気づいた状態でオファーをかけるから、コンバージョンが獲得できるというわけです。
メルマガはこちらが好きなタイミングで・好きな内容を・好きなだけ送ることができます。そのため潜在顧客(気づいていないユーザ)を顕在顧客(気づいているユーザ)に変換するのに最も向いているツールと言えます。BtoBメディアでSEO集客をしている会社であれば、ぜひメルマガを取り入れてみてください。
メリット②:見込み客との信頼関係を構築できる(CVRを改善できる)
今の時代は「何を言ったか」よりも『誰が言ったか』が重視される時代になっています。ユーザーはパッと検索して見つけたWebサイトのサービスを、なかなか信用してくれません。
しかしメルマガを使って定期的に有益なコンテンツを配信すれば、見込み顧客の信頼を得られるようになります。信頼がある状態で適切なオファーができれば、CVRの向上が期待できますよね。
また、メルマガは接触頻度が高いことから単純接触効果も働きます。単純接触効果とは、何度か繰り返し接触していくうちにだんだん相手に好感を覚えるようになるという心理効果のこと。つまりメルマガによって頻繁に接触をはかることで、自社に対して良い印象を持ってもらえるのです。
メリット③:既存顧客に対してリテンションができる(LTVを伸ばせる)
メルマガはこちらが好きなタイミングで・好きな内容を・好きなだけ送れるという特徴があります。そのため、一度のみならず二度三度と自社のサービスをセールスすることが可能に。これによりLTVが伸びるというメリットがあります。
LTVとは一人の顧客が生涯をかけて自社にもたらしてくれる価値(売上)のこと。LTVが高くなれば、リード1件当たりの売り上げを伸ばせます。
メルマガを導入していないWebサイトだと、訪れたユーザはその記事を読んだだけで去ってしまうことがほとんどです。仮に記事からコンバージョンに至ったとしても、その一度だけで関係が途切れてしまいます。しかしメルマガを導入していれば、その後もずっと関係を続けていくことができるのです。
BtoBメルマガではどんな内容を書けば効果が出るのか?
「メルマガでどんなことを書けばいいのか分からない」という担当者も多いと思います。メルマガの内容は、ゴールから逆算して考えることが大切です。メルマガを発行している目的やCVの内容から逆算し、どんなメールをどんな順序で送るかを考えてみてください。
例えば無料のWebセミナーに参加してもらうことをゴールに設定した場合、次のようにメルマガの構成や内容を考えてみます。
- そのWebセミナーに参加するとどんな悩み・問題を解決できるのかを書き出す
- そのWebセミナーで伝えられる解決策は、他の一般的な解決策とどのように違うのか書き出す
- その悩み・問題を抱えている人はどのような情報・ノウハウに興味があるのか書き出す
- その悩み・問題を抱えている人はどんな特徴なのかを書き出す(ペルソナ設定)
上記を踏まえると、次のようなメルマガ構成を作ることができます。
ゴールから逆算したメルマガの内容
1通目:自己紹介やメルマガ登録特典を渡す(今後このメールを読んでもらえれば仕事に役立つことを伝える)
2通目:読者が抱えている悩み・問題点を明確にする
3通目:なぜその悩み・問題点が起こってしまうか原因を説明する
4通目:その悩み・問題点の一般的な解決策を示す
5通目:その一般的な解決策が難しいこと・現実的でないことを説明する
6通目:Webセミナーに参加すれば、より確実な解決策が知れることを伝える
7通目:オファー・営業(LPやキラーページに飛ばす)
※記事後半で解説しているMAツールと組み合わせれば、ホットリードに優先的に営業をかけられるようになります。
ちなみに、メルマガに登録してもらうための特典(ホワイトペーパーやお役立ちレポートなど)もゴールから逆算して作ることが重要です。さらにはSEO集客のためのキーワードも、ゴールから逆算できると良いですね。流入キーワード~最終的なゴールまでが一貫していることで、メルマガは効果を発揮します。
- 最終的にWebセミナーに参加するであろうターゲットは、どんなメルマガ特典を欲しがるかを考える
- その特典を欲しがるユーザーを集めるには、どんなキーワードで上位表示できればいいのかを考える
メルマガを書くにあたってテンプレートや例文のようなものを参考にしたいと思う方もいるかもしれません。その場合は自分が興味のあるメルマガを取って、実際に読んでみるのがおすすめです。そのメルマガを見ながらどんな構成になっているのか・どんな内容が配信されてくるのかなどを分析してみましょう。
ただしメルマガの内容は、その企業が提供するサービス・ターゲットなどによって異なります。あくまでも参考程度にして、上記で紹介した手順でメール設計を考えてみてください。
効果的なメルマガを配信するための3つのコツ
効果的なBtoBメルマガを配信するためには、次の3つのコツを意識してみてください。
- 人物、キャラクターを設定する
- タイトルや配信時間を工夫する
- MAツールを導入する
順番に解説していきます。
コツ①:人物、キャラクターを設定する
メルマガ読者からすると、メルマガはプライベートな空間で1対1のやりとりをする場です。そのため差出人の欄に企業名が表示されるよりも、個人名が表示された方が反応が良くなることが多いです。
よってメルマガは個人から送られてくるように見せるのがポイント。メールマーケティング担当者の名前を設定したり、それが難しい場合は架空のキャラクターを作るのも良いですね。
ただし、完全に個人名だけの差出人になってしまうのはあまりよくありません。どこからメールが来たのかが分からなくなり、かえってメールの開封率を下げる要因になってしまうことも。そのため、メルマガの差出人は「企業名 個人名」という形にするのがおすすめです。
コツ②:メールの開封率を意識!タイトルや配信時間などをテストする
メルマガにどんなに良い内容を書いていたとしても、開封されなければ意味がありません。そのため、メールの開封率は絶対に意識すべきKPIとなります。
一般的にメルマガの開封率は15%程度が平均だと言われています。もしこの数値を下回っている場合は、次のようなことを試してみてください。
開封率アップのポイント
- メールのタイトルは興味を引くようなものになっているかを確認
- 配信時間をテスト
- 次回の配信日時を記載する
簡単に説明していきます。
2-1:メールのタイトルは興味を引くようなものになっているかを確認
メールのタイトルを工夫するだけで開封率がガラリと変わることがあります。コツ①で顧客の求めるものをしっかりと逆算しているはずなので、それをもとに魅力的なタイトルを考えてみてください。タイトルは伝えたいことを15文字程度におさめるのがベストです。
2-2:配信時間をテストする
配信時間は、一般的には始業前やお昼時などの比較的時間があるタイミングが効果的とされています。ただしこれはあくまで平均なので、ターゲットの生活リズムを考えいくつかテストしてみてください。配信頻度は週に1~3回程度が一般的です。
2-3:次回の配信日時を記載する
メールの末尾に次回のメールを送る日時を記載しておくと、より注目してもらいやすくなります。例えば下記のようなイメージです。
次回は絶対に知っておかなければいけない○○についてのメールを送ります。△△月◆◆日の□時に送るので、見逃さないようにしてくださいね。
コツ③:MAツールを導入する
MAツールとは「マーケティングオートメーションツール」の略。一言で説明するとマーケティングを自動化するためのツールです。MAツールを導入すると、次のようなことができます。
- メルマガのA/Bテストを自動化できる
- 顧客リストの管理を自動化できる
- 商談や導入に至りそうなリードを抽出してくれる(商談すべきリードとそうでないリードを見分けられる)
- キラーコンテンツの閲覧があった場合に知らせてくれる(ホットリードに営業をかけられる)
まずはメルマガ業務を自動化してコストを削減。さらに、より成約の見込みがあるリードを抽出し、優先的に商談を行いやすくすることも可能です。大きなメリットがあるため、取り入れる企業が増えているのです。